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2015-09-16 [Wed]

マイナンバーについて

マイナンバーのことを全然予習してないなと思い、kindle本を買ってみました。500円です。安いです。

大事なことだけすぐにわかる マイナンバー制度(青木丈)


内容についてですが、必要そうなことだけ抜粋された内容が淡々と書かれています。どっちかよりではない。

ただ法制度の視点からなので、「できる」「できない」が法律的に「できる」「できない」であって、運用がどうのとかいう話ではないです。

一通り目を通して、なんとなく分かりました。

そこで、疑問に思ったことを書き出しておきましょう。

個人番号カードというのが、噂のカードです。表面には写真、住所、生年月日などが書かれ、身分証明書として使えます。

裏面には個人番号(マイナンバー)が書かれています。マイナンバーは真名と同じで、他人に知られてはいけませんが、カードの裏面には生データとして書かれています。まあ、そこは色々な方面から突っ込まれているけど。

表面には「サインパネル領域」というのがあります。サインを書くのでしょうか。ということは、サインというものがオーソライズされた存在になるということでしょうか。今の日本では、パスポート以外で、「サイン」は定義されていないのですが。

また住所が書かれています。ということは、転居したら書き換えになります。運転免許証だと、転居した場合は裏面に更新内容が書かれますが、個人番号カードの場合は作り直しということですな。そこの手続きはスムーズに(今の免許証の住所変更並に)できるのでしょうか。

次。

住基ネットとは違うものだそうです。それはいいんだけど、住基ネットって、どうなるんでしょうね?ていうか、あれ今どうなっているんでしょうね?

マイナンバーが参照される際の処理の流れは、基本的に「国民→企業→行政」だそうです。「企業→企業」などはないらしい。でも、この企業というのが、結構色々あるんですよね。勤務先にはマイナンバーを教えないといけないらしいのですが、それ以外にも「企業を通した申請処理」の類に使われるらしいです。その例として挙がっているのが、奨学金の申請(学校に教えないといけない)、証券会社や保険会社にも教えないといけないらしい、雇用保険を受けるためにハローワークにも教えないといけないらしい、とかとか。

本当にこの番号は教えてはいけない番号なのでしょうか。

個人情報は一元管理ではなく分散管理なので安全だという説明がありました。

つまり、マイナンバーはただの検索キーであり、個人情報の実体は、今と同じ、市町村、警察、などが持っていると。

まあ、そこは理解できます。

しかし、マイナンバーは、重複しない、再利用されない、ランダムな数字列なので、重複しないように発行についてはどこかで一元管理しないといけません。これはどこがやるんだろう。

マイナンバーを発行する機関があったとして、その番号が個人に結びつけられるのはどのタイミングなんだろう……多分、出生届を出して戸籍が作られたタイミングですね。

とすると、最初の紐付けは戸籍とマイナンバーとなるわけです。

ところで、世の中には無戸籍という問題があります。様々な理由で出生届が出されず/出せずに、戸籍がないまま生活している子供がいます。それへの対策はもちろん必要なんですが、現実として戸籍がない人間が存在している以上、マイナンバーを持たない人間も存在するはずです。

無マイナンバーはどういう扱い、運用になるのでしょうね。何も考慮されていないということは考えにくいのですが。

マイナポータルについて。

自分のマイナンバーの参照履歴などを閲覧できる、マイナポータルというサイトが作られるそうです。

サイトというくらいで、Webですな。Webって限定した考え方というか設計でいいのかという問題を感じるわけですが。

とにかく、マイナポータルを経由すると、自分の個人情報を誰が照会したか、提供したか、が確認できるそうです。

ということは、マイナポータルがクラックされると、すべての個人情報にアクセスできるということですかね。

集中管理じゃなくて分散管理だから大丈夫という話でしたが、レイヤーを変えてみると単一の入口で個人情報にアクセスできるってことですかね。

マイナポータルへのログイン方法は「個人番号カードの機械的な読み取りとパスワードを組み合わせた公的個人認証の採用を想定しています」だそうです。公的個人認証ってなんだ?

そして、個人番号カードの機械的読み取りというのは、ICカードリーダをWindowsPCにつなげてどうこうするのだと思いますが、マイナンバーはカードの裏に書いてあるんだから、別にカードリーダ必要ないんじゃないですかね?

結局マイナンバーとパスワードで認証するってことですよね。

ここのIDにマイナンバーそのものを使っていいのかなあ。

将来的には、マイナポータルには電子私書箱(おそらくメールボックスのこと)機能が作られて、支払調書や保険の控除の書類なんかを受け取って、そこから直接納税したりできるらしいです。

分散管理というわりに、どんどん集中管理しようとしてますな。情報の流れを集中させようとしている。

うーん。

ITエンジニアのためのマイナンバー講座(情シス開発じゃなくて、そもそも制度設計とシステム設計について、技術屋視点から見てどうかを考える会)ってのはないのかなあ。


2015-09-22 [Tue]

インターネット国勢調査

今回のインターネット国勢調査、というか、国勢調査をインターネットでも回答できますよシステムについて、5分くらい考えてみた。

調査対象者IDとパスワードが書かれた紙が、何の封もされていない封筒に入って、無造作にポストに投函されていて、そのIDとパスワードを元に国勢調査に回答するという仕組みだ。

配られた紙には、市区町村コードと調査区番号と世帯番号が書かれているので、多分この番号で「この紙をどの世帯に投函したか」が紐付けできる。そもそもデータベースから何か抜き取らなくても、ポストから抜き取れば、一般人でも「この世帯」の調査対象者IDと初期パスワードを入手できる。そして、封筒に封がされていないので、書き写して戻しておけば、持ち主にも盗まれたことが分からない。

で、ある世帯のIDとパスワードが入手できたとして、何ができるだろうかを考えてみよう。

まず、偽のデータを登録することができる。

この時、初期パスワードを変更しておかないと、後から本人が上書きするかもしれない。また上書きする時に、偽データがかかれていたと通報するかもしれない。

初期パスワードを変更してしまうと、本人が上書きできない。面倒な人ならそこで諦めるかもしれないし、パスワードが違うんじゃないかと問い合わせるかもしれない。

それよりも、本人が正しいデータを回答した後、そのデータを閲覧できることのほうが現実的な問題だ。

初期パスワードを変えなかったらそのまま読めるし、変えても一般人が考えるパスワードは、多分そんなに強くない。おそらくみんな、どうせ修正したりしないから捨てパスワードでいいと考えるだろうからだ。

仮に、ちゃんとしたパスワードがかかったとしても、たとえば以下のような電話をしてみよう(住所と名前が分かっているので、電話帳を調べれば電話番号も載っている人は載っている)。

「もしもし、○○さんのお宅でしょうか。私、総務省統計局から委託されて、国勢調査のインターネット回答システムの管理運営を行っているものですが。こちら側でデータを確認したところ、データに不整合が見つけられたので、お手数ですが、お手持ちの用紙に書かれている初期パスワードでパスワードをリセットして頂けないでしょうか。セキュリティに配慮しているために、現在お宅様が登録しているパスワードや、初期パスワードを電話で読み上げることは致しません」

これで、初期パスワードにリセットしてもらえるので、閲覧すればよい。

閲覧するとどういう特殊な情報が得られるかというと、

・家族構成

・勤務先

あたりかな。住所・名前と勤務先の紐付けができるようになるというのが、一番の収穫か。

勤務先がまともな会社であれば、大抵代表電話番号を公開しているので、そこに電話して、部署と名前を言えばつなげてもらえるので、マンションのセールスくらいはできる。

あちこちで書いていますが、個人情報というのは、1セット揃っていることが重要なのではなく、ほんの少しの個人情報が色々紐づいてとられてしまうのが問題なわけです。

なぜかというと、標的型攻撃がしやすくなるから。

家族構成が分かると、会社あての電話でも「お宅の娘さんの××さんが……」という標的の狙い方ができるので、確度があがる。

まあ、そのあたりですかねえ。


2015-09-23 [Wed]

最近の息子

最近の息子のことを書いておきますかね。

4歳4ヶ月。新しい保育園にもすっかり慣れて、友達ともそれなりにうまくやれているようです。どういう感じでうまくやれているのか、いまひとつよく分からないのですが、お友達は息子を名前で呼んでくれて、色々気にかけてくれます。一緒に帰ろうと待ってくれていたり、息子も友達と一緒に帰りたい時に待っていたりします。

息子は保育園で自由奔放にやらせてもらっているみたいで、上の年齢のクラスがホールで集まっているのにいつのまにか紛れ込んでいたり、下のクラスの教室の入口にある隙間が好きで潜り込んだりしているようです。

そのせいか、上のクラスの子が息子にちょっかいを出してくることもあるのですが、息子は息子で、手をライオンの形にして「がおーっ」て向かっていったりしているので、まあうまくやれているんじゃないですかね。

食事は普通に食べます。お箸も器用に使います。保育園の給食はだいたい食べているようですが、家では偏食で、ご飯、パン、納豆、麺類しか食べません。麺類が好きです。冷凍パスタ一人分とかぺろりと食べます。

しまじろうと、アンパンマンと、ドラえもんが好きです。妖怪ウォッチのキャラも好き。テレビは見ていないし、ゲームもやっていないけど。あいかわらず、いないいないばぁっ!とおかあさんといっしょは好きです。

キャラが三人出ていると、自分とお父さんとお母さんにあてはめて見ているようです。

本当は自力でも長い距離を歩けるはずなのですが、僕が一緒だとすぐに「だっこ」になります。そしてしょうがないなーと言いつつ僕はすぐ抱っこしてしまいます。甘いなーとは思っているのですが。

言葉はまだあまり出ていません。少しずつ語彙が増えてはいるし、ダウン症の平均からすると特に遅くもないのですが、おそらく彼の頭の中にあるであろうことを、言葉で表現できないので、もどかしいのではないかと思います。

まあ、喋りたいっていう意志は昔からすごく強いし、宇宙人語の発音のバリエーションもどんどん増えていっているので、そのうち喋りまくるだろうなとは思うんですけどね。今だと、「パン、(食べ)たいっ!」くらいの二語文が精一杯。

運動はあいかわず活発です。もちろん走る姿とか、同じ学年の子と比べれば全然不安定なんだけど(4歳って普通に走るんですよね)、それでもトコトコすばやい動きで走っているし、保育園でお友達とボール遊びなんかもしているみたいですね。

そういえば、この前、上のクラスの男の子が僕に近づいてきて「××くんのお父さん?」「うん」「××くんね、最近ボール遊びが好きなんだ」「そうなんだー」「それと、僕らがやること、すぐに真似する」「そっかー、同じことしたいんだねー」などというやりとりをしました。お兄ちゃんがいるってのは、これまでなかった環境なので、ありがたいことです。

ああ、あと数字について。

お風呂で数字の片はめで遊んでいるのですが、自力で全部できます。だから0から9までの数字の形は認識している。

それと、「いーち、にー、さーん」という風に10まで数えると、真似をして指を折りながら同じような言葉を出そうとします。全然できていないし、彼にとってこれは歌の仲間なのかもしれないけれど。

ただ、おそらく、時系列に並ぶ何かの列があり、それがお風呂にあるあの形と関係している、くらいのことは理解しているんじゃないかなあ。

そうそう、順番と言えば。順番というのがなかなか難しいみたいですね。

児童館でトランポリンがやりたい時に、列の先頭に割り込もうとするので「待って、順番だよ」って言うと、「順番、というのは、待つものだ」というのは理解しているようなので、その場で指を折って数を数えはじめるのですな。何秒か待てばいいと思っているらしい。そうじゃなくて順番ってのは列に並んで待つというのは、スーパーなんかでも教えようとはしているのですが、いまひとつピンと来ていないみたいです。

あと、最近、「ちょこっと」ってのに凝ってますね。

以前寝る前に喉が乾いたというので、無糖炭酸水を一緒に飲んだのですが、もっと欲しいというので「じゃあ、ちょこっとだけだよ」って言って指を「ちょこっと」の形にして見せたら、それが気に入ってしまったみたい。なんか秘密のことをしている気分になったのでしょう。

それ以来、寝る体勢になってから、1回は、「ちょこっと」を要求します。

多分、水を飲みたいというよりは、コミュニケーションを欲しているようにも思えて、それが精神安定剤になるのなら、しょうがないから付き合ってやるかと思って付き合ってますが。

こんな感じですかね。

保育園の他の子と比べると、確かに成長は遅いんだけど、その中に溶け込めているようだし、彼自身は毎日楽しそうだし、いいんじゃないでしょうか。


2015-09-26 [Sat]

子育てのモデル

来月からテレビドラマも始まる「コウノドリ」の10巻を読みました。

非常に身につまされる内容でしたが、現実はあんな簡単には解決できず、もっとこじれます。たとえばファミサポとか公共サービスの手続きとか、保育園との調整とかを、あのお父さんがやるとして、いつやるの?平日の昼間しかないでしょ?そんな簡単じゃないでしょ?ってところなわけですわ。たとえば。

うちは奥さんが色々調べてくれたけど。

それに、普通はSOSを出せるのはもっと切羽詰まった状況で、どうにもならなくなってからです。端的に言うと、子供に手が出てから。漫画だとあの表現が精一杯だったんでしょうな。

まあ、それはそれとしてだ。

なんか総理大臣が「一億総活躍」とかいうスローガンを出したらしいじゃないですか。50年後に人口一億を維持することを目標として、とか。

生産力を維持するなら、ある程度の人口を維持することは必要です。一方で、人口が減ったとして経済が回る落としどころがあるのなら、それを模索するという考え方もあるでしょう。

今の日本で何がまずいかというと、人口増加率が減っているというその数字ではなく、少子高齢化への移り変わりに社会制度と経済構造が追いついていないということなのだろうと思われます。少子高齢化はとっくに見えていたことなので、社会制度の変化が追いついていないのだとしたら、行政何やってたんだってことだよねー。

で、逆に言うと、今の日本の問題を解決するもっとも簡単な方法は、現在の出生率をベースにして、世代別人口バランスの理想型を求めて、多分高齢者が多すぎるので、多すぎるところに死んでもらうことです。ぶっちゃけね。

でもそんなことはできないので、子供を増やそうっていうことに政府はやっきになっているのですが、子供なんてそう簡単に増えるものではないし、今後子供が生まれても、5歳とか6歳の子供が生まれるわけではないので、世代別に見て薄い層は薄いままグラフに残ります。

このあたりの人口問題のマクロな部分については、国立社会保障・人口問題研究所で色々検討・シミュレーションしているはずです。

それよりも僕等の問題はミクロな現実の目の前の育児なわけですわ。コウノドリ読んで思ったんですけどね。

たとえば、東京都在住、共働き、3歳の子供がいて、現在奥さんが2人目を妊娠中、という家庭があったとして、どういう条件がそろえば「回る」のだろうかってのをちゃんと考えてみたいなと思ったのです。

モデルケースとしては色々あるだろうけど。

年収がどのくらいだと、これができるとかできないとか。

両親が近くに住んでいると、これができるとかできないとか。

この区だと行政サービスがこれがあるけれど、こっちはないとか。

自動車がなくて住んでいる場所がここだと、この行政サービスはうけづらいとか。

シンクタンクあたりだとできるんですかね、こういう仕事。

誰が考えるべきなのか、考えたとしてどういうパスを使えば行政のコアに届くのか、僕にはよく分かりません。

僕にできるとしたら、そういうテーマの小説を書くことくらいなんでしょうね。


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