告知など


2010-01-01 [Fri]

謹賀新年

あけましておめでとうございます。2010年になりました。

昨年は色々ありました。いや、本当に。まさか、新年をこういう状態で向かえるとは思っていなかったです。

引っ越しの片付けもかなり進み、とりあえずコンピュータ環境は復活しました。これで仕事がまともにできる。

まだ終わってないんですけどね。衣類の整理をしないと。

今日は元旦ということで、初詣に行って来ました。信じられないことに、この僕が初詣ですよ。10年ぶりくらいなじゃないかと思う。

大きなところは混んでいると思ったので、近所の神社とお寺をまわって、御参りしてみました。ついでに散歩をしたのですが、この街は住宅地で緑地のままになっている場所も多く、静かで良いところだということがよくわかりました。適度に田舎っぽさもあり、結構住みやすいかも。

のんびりと元旦を過ごしてみました。

今年は社会情勢が厳しかったり自分の身辺もあわただしかったりと、走り抜けないといけない一年になりそうなのですが、常に走っていると身体を壊してしまうので、走ったり歩いたりのペース配分を考えつつ、めりはりのある一年にしたいです。

今年一年、よろしくお願いします。


2010-01-02 [Sat]

2010年のテクノロジーは、もっと分散していて欲しい

CNET Japanの、「2010年はこれだ!」--テクノロジーベンチャー経営者17人の着眼点という記事をざっと読んだ。

多くの人がtwitterやSNSなどのソーシャルメディアに注目しているというのは、それ自体は間違っていないと思う。

しかし気になるのが、誰もが「何が流行するか、何が注目されるか」ばかりを語っていて、誰も見たことのないものを作ろうという気概が見られない。テクノロジーベンチャーが勝負するのは、業界の動向に乗っかれるかどうかではなく、独自の「技術」でどれだけ勝負できるかだと思う。技術至上主義と言われても、僕はそう信じて生きていて、生きてこれているのだから、仕方がない。

どうして「今年は自分は何を生み出したいか」という夢を、どうして語らないのかが疑問なのだ。

個人的には、twitterにしろSNSにしろ、どうして分散システムになっていないのかが疑問なので、それらをきちんと分散システムとして設計しなおすことを考えたい。単に負荷分散の実装というだけでなく、ソーシャルメディアのコミュニケーションモデルに基づいた分散システムの設計というのが、何か新しくできそうな気がするのだ。


2010-01-06 [Wed]

光ネクストとISPのIPv6接続

NTTが提供するNGNのIPv6接続と、ISPが提供するIPv6接続との混在問題については、既に各所(主にIPv4枯渇対策方面)で議論されているが、まさにその問題にぶちあたった。

引っ越してB Flet'sの契約を切替えたところ(諸事情により、僕がもともと契約していた回線の移動ではない)、B Flet'sではなく光ネクスト回線に有無をいわさずなってしまったらしい。そしてここで使っているVDSLモデム兼ルータが、NGN側からDHCPv6-PDでprefixを受信し、home network側にRAを吐いてしまっている。僕の家ははIIJMIOのトンネルサービスで既にISP経由でIPv6インターネットの接続性を持っていて、FreeBSDのルータがRAを吐いているのだが、両者のRAがぶつかって、しかもdefaultをNGNに持っていかれるという症状がおこり、普通にRAを聞くマシンからIPv6インターネットに通信できなくなっていた。

困ったので、とりあえずNTTのサポートに電話。予想通り何箇所かをたらい回しにされ、最終的にVDSLモデムのセットアップサポート窓口というところにたどり着いた。

事情を説明したところ、調べて折り返して返事をするというので、待つことしばし。

結論は、現状「VDSLルータにIPv6のDHCPサーバを無効にするような設定項目がない」ので、出来ないとのこと(DHCPサーバというのは正しくはRAサーバ or rtadvdと読みかえてください)。そこの窓口は設定のサポートなので、ファームのどこを直せとかいう話をしても通じないわけですな。というか、こっちの話の半分くらいは分かっていなかったような気が。

さて。

問題はシンプルで、「例の奴=IPv6マルチプレフィックス問題」である。

どう対処すれば良いかは分かっているし、その対処方法でいけそうだということも分かっている。

一番問題なのは、現状既に問題が発生しているのに、workaroundすら用意されていないルータをNTTが出荷していることだ。

例えば、Windows7はdefaultでIPv6が有効になっている(らしい)ので、DNSでAAAAが引けた場合は、IPv6で通信しようとするので、NGN側にパケットが流れてしまう。もしかしたら、VDSLルータがDNS forwarderをやっている場合は、AAAAを引いてもAを返すのかもしれない(実際にそういう実装のルータは存在する)。いずれにせよ、何か間違っていると思う。

ああーっと、そして解決方法だけれど、要はdefault routeをどこに向けるかという問題だけである。BSDについては、staticでdefault routeを付けていると、RAで上書きされないことが分かっているので、routeコマンドでIPv6のdefault routeを設定してやれば良い。あとは、pfでソースアドレスでフィルタするという手もあるけれど、どちらにしても個々のホスト単位の対応をする必要がある。

VDSLルータでのDNS forwarder

いま試してみたけれど、ルータに対してAAAAを引くと普通にAAAAが帰ってくる。

ということは、IPv6 enabledなホストがいて、ISP経由でのIPv6インターネットへの接続性がない場合だと、そのホストからはまずIPv6で接続しようとしてtime out or host unreachでIPv4に落ちるということになるのではないろうか。

本当だとしたら、Windows7/MacOS Xユーザからクレームの嵐になりそうなんだけど、大丈夫?


2010-01-12 [Tue]

マルチプレフィクス問題と、ひかり電話問題

実はひかり電話を契約してあったものの、電話機を接続していなかった。

複合機を買ったので、接続したところ、つかえない。ダイアルトーンが鳴らない。VDSLルータの「ひかり電話」のLEDが点灯していない。

NTTに電話したところ、初期化すれば直るかもということで、設定を保存し、初期化して再起動。直った。そこから設定を再度投入し、再起動。ちゃんとひかり電話も使える。

同時に、「IPv6パススルーを有効にする」というチェックボックスも現れた(以前はなかった)。

これを無効にしたら、変なRAが返事をすることもなくなった。

想像するに、僕が設定をする前に、このVDSL箱は奥さんがモデム機能だけ使っていた(PCからPPPoEを喋らせていた)ので、そういう動作モードになってしまっているのではないだろうか。そして無条件にIPv6パススルーして、実はVDSL箱の先のルータがRAを返事していたのではないだろうか(パケットダンプしてMACアドレスを確認すれば良かったのだが、面倒なのでそんなことしていなかった)。

ということで、マルチプレフィックス問題は、なんとなく解決されてしまった。


2010-01-16 [Sat]

ダウン中

木曜日から、夫婦揃って風邪でダウンしています。病院に行ったら、細菌性胃腸炎の可能性が高いということで、薬をもらってきました。僕は薬を飲んでも熱が下がらず最高で39.1度まで上がって死ぬかと思いましたが、金曜日の朝には37度台まで落ち着きました。

土曜日の今日になり、大分良くなったけれど、まだ大事をとって外出予定をキャンセルしました。

そんなわけで、色々止まってますです。


2010-01-18 [Mon]

復活しました

復活しました。お騒がせしました。元気いっぱい、頑張りますよー。


2010-01-19 [Tue]

断食効果

病気から直ってみたところ、何か異様なくらいに頭も身体もすっきりしていて、とても楽しい気分が続いている。ただし性欲は綺麗さっぱりなくなった。それはそれで新婚家庭的には困ったような、まあそんなもんなような。

考えてみれば、2日ほど水分以外は何も食べなかったわけで、これはプチ断食と同じなのではないだろうか。

今のすっきり状態が断食効果と考えると、何か色々納得いく。


2010-01-22 [Fri]

Kindleを買いました

Amazon.comから、Kindleを買いました。DXではありません。いわゆるKindle 2です。

届いたのですが、パッケージが普段のamazonの箱とちょっと違い、力が入っているのが分かります。

デバイスとしての質感は、プラスチックなので高級感という感じではありませんが、PSPとDSとどっちが玩具としてカジュアルかと考えるとDSに軍配が上がるのと同じ理由で、このくらいの質感がちょうど良いと思います。

電子ペーパーの表示はとても不思議です。印刷されているみたいです。これなら目が疲れません。

表示速度というか、書き換え速度は遅いです。0.5秒くらい待たされる感じ。でもそういうものだと思えば許容範囲です。

英語の表示は綺麗です。これなら英語の論文のPDFを放り込んでおくと、普通にドキュメントビューアとして使えます。

日本語については……、これは後ほど。


2010-01-27 [Wed]

Kindle Storeで小説を出版

Amazon DTPを使い、Kindle Storeで日本語の小説を出版しようと計画しています。

というか、先週の金曜日にpublishをクリックしました。

漫画については、既に一冊販売されており、slashdotでも話題になりました。

http://slashdot.jp/mobile/10/01/27/016220.shtml

販売が開始したら報告しようと思っていたのですが、とりあえず進捗をレポートします。

金曜日にpublishをクリックした後、under reviewの状態が続いています。

火曜日にAmazon DTPのサポートにメールをしましたが、Japaneseを強調しすぎたせいか、「現状で日本語はサポートしていない」という返事が来てしまいました。

日本語の漫画は出版されているぞと反論しておきましたが。

しかたがなく、今は待ちの姿勢です。

追記

現状のKindleでは日本語をサポートしていません。私の方法では、全部を画像に変換しています。


2010-01-28 [Thu]

Kindle Storeで小説を出版・その後

まず、「漫画は出ているじゃん」という反論に対しては、「日本語でのtryをありがとうございます。他言語化に向けて頑張ってますので云々」という、事務的な返事が返ってきました。

次、最初のpublishは値段を$2.00にしてしまいました。10MBを越えるコンテンツは価格の下限が$2.99になっており、そこで別のキューに入ってしまったのかと思い、値段を変えて再度publishしてみました。

一晩たったら、今度は反応がありました。statusがReadyに変わっていました。

そして、Amazon DTPから「Alert from Amazon DTP」というsubjectのメールがきて、Amazon DTPでサポートしている言語はこれとこれとという説明があったあと、

As a result, we will not be publishing your title(s):

という、やんわりだけど明確なrejectの返事がありました。

これが、regulationの問題なのか、review processで日本語に対応できないという実務的問題なのかは分かりません。

確かに、画像にした文章は、検索も読み上げもできないので、Kindleの機能を活かせないという点でうれしくないのでしょう。しかし、僕としてはまずはゲリラ的であっても叩き台を提供することで、活性化ができないかという姿勢で挑戦してみたわけです。そういう姿勢が認められないというのは残念です。Appleみたいですね。

ということで、現時点での個人的結論は「なんか、こいつら、つまんねーの」です。

あ、ちなみに、画像化していないPDFやWordを送りつけるのは、本当の意味で迷惑でJapanese死ねと言われかねないので、みなさん、やめましょうね。

Amazonは前向きなのか

slashdotで、「日本語に対応していないけれど、数ヵ月のうちに対応」という返事にたいして「前向き」だとするコメントがありました。

僕はこれは全然前向きではなく、単なるお決まりの返事でしかないと考えています。

Amazonは以前からKindleの多国語化については今年後半にはという発言をしていますが、それがどの言語かは明言していません。おそらく、日本語は後回しでしょう。

日本語の版組はそれなりに大変です。禁則、ルビ、縦書での一部のフォントの回転、それに加えて、読み上げをどうするのかという問題があります。kakasiみたいなローマ字変換エンジンを組み込むなら辞書が必要ですし、簡単なのは本文とは別に発音データを組み込んでおくことですが、データ量が倍増します。

そういった諸々をAmazon独自で頑張るとはとても思えないし、それを頑張るなら、みんなれEPUBの日本語対応をきちんと考えたほうがよっぽど良いです。

Amazonにはあまり期待できそうにありません。

もっとも、漫画はacceptされるのであれば、そっち方面からどんどん攻めてみるという方法はあると思います。


2010-01-30 [Sat]

Kindle Storeで小説を出版・Amazon DTP用のデータの作り方

全部のページを画像にすればKindleでも読めるぜと書いたわけですが、メモも兼ねてどうやってデータを作ればよいかを記録しておきましょう。

と言っても、ほとんどの人には役立たないと思うけれど。

僕は小説を書く時も同人誌を版組するときも、TeXで作ってます。

ですので、まずA5の本の体裁でスタイルを設定して、PSファイルを作ります。12ptにしておいたほうが良いでしょう。

dvips -p2 -t a5 main-kindle

そしてTIFFに変換します。

gs -quiet -dBATCH -r300 -dNOPAUSE -sPAPERSIZE=a5 -sOutputFile=main-kindle.tiff -sDEVICE=tiffg4 main-kindle.ps

出来たTIFFをPDFに変換するか、1ページごとに分解します。PDFに変換する方法は、コンバータの種類によってはAmazon DTP側で正しく処理してくれない(横になって1ページが2つに分割されてしまう)ので、TIFF+HTMLに変換するほうが楽だと思います。

mkdir tmp

tiffsplit ../main-kindle.tiff

でもって、index.htmlを作成します。例えば以下のようなスクリプトで。

#!/bin/csh

cat > index.html <<EOF

<HTML><BODY>

EOF

foreach f (*.tif)

echo "<img src='$f'/>" >> index.html

echo "<mbp:pagebreak />" >> index.html

end

cat >> index.html <<EOF

</BODY></HTML>

EOF

できあがったファイルをzipでまとめます。

zip ../up.zip *.tif *.html

できたup.zipをAmazon DTPにアップロードし、previewで見えるかどうか確認します。


INFORMATION OF EARTHLIGHT TECH NOLOGY <kimoto@earthlight.jp>