告知など
- 「勇者彼女がトイレから出てきません。」
- 彼女がうちのアパートに来たかと思ったらトイレに入って出てこなくて、 何をしているかというと、異世界で勇者をしている話。
- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」
- そろそろ子育てエッセイなどというものを書いてみようかと思った次第。
- 「小説生成システム開発計画 - プロジェクトNUE」
- 計算機に小説、いや、使い物になる文章を作らせてみようという試みを、 勉強しながらやってます。
2003-09-01 [Mon] 共感
▼
他人に共感できない人が増えているという。
▼ 「共感」が出来ないということは、他人の痛みを想像できない、つまりこうい
うことをしたら相手がどのくらい傷つくかということが想像できないというこ
とだ。こういう人は得てして弱者を無視した乱暴な言動をする傾向がある。
困ったことだ。
▼ 道を歩いていると、ティッシュやチラシを配っている人がいる。私はこういう人は
完全に無視することにしている。存在そのものが無であるかのように振舞うので
ある。いちいち相手にしていたら切りがないので、完全に自分の認識から削除して
しまうのである。
▼ しかし同時に考える。これで良いのかと。これは他人に共感していないという
ことではないのかと。他人の存在を認識から消し去るというのは、他人の痛みを
理解しようとしていない行為なのではないかと。そして少しだけ心を痛めつつも、
やはり無視して通りすぎる。
▼ しかし同時にこうも考える。見知らぬ人がいきなりティッシュやチラシを渡そう
とするというのは、一種の暴力である。実際、いきなりアンケートしたり宗教の
勧誘をするのとどこが違うのか。ティッシュに毒薬が含まれていないという保証
はあるのか。ティッシュを配るという行為自体が、私の自己領域への無神経な侵略
ではないのか。だとすれば私はそれから身を護らなければならない。もちろん
彼らとて、笑顔で配ったら笑顔で受け取って貰えるのが気持ち良いだろうし、無視
されたら嫌な気分だろうとは想像できる。しかし同時に、見知らぬ他人と接触する
ことで私がなんらかの物理的精神的被害を受ける可能性がある以上、自らの心身を
護るためには関らないにかぎるとも思う。
▼ 他人に共感できない、もしくは他人に共感しない人が増えているというのは問題
だが、同時に共感していたら自分の精神を護れないという状況、つまり無神経に
他人の領域に侵入しようとしてくる人間があまりにも多いという状況にも目を
向けるべきではなかろうか。
▼ これは多分政府としても困るはずである(個人的には別に政府が困ろうが知ったこと
ではないのだが)。例えば無神経にアンケートを頼んでくる正体不明の人物と、
職務質問をする私服警官とが、私から見た場合全く同列に見えるので、どちらも
無視するべき対象として認識している。しかし職務質問を無視すると警察に連れて
行かれるのが困ったところだ。そうは言っても、私服警官が本当に警官であることを
認証する手段が事実上存在していない(警察手帳が偽造されていないかどうかなんて、
私には見破れない)ため、やはりできれば無視したい。これは官民双方にとって困った
事態だと思うのだ。
▼ だからどうしたという訳ではなく、ただ単に私はむやみに防御壁を作らなくても
安心して生活できるような社会がいいなあと思うだけなのである。