告知など


2002-11-16 [Sat] D論中

今日も今日とてD論を書かねば。その前に図書館に本を返す。一冊は返してまた

借りた。この内容は整理してメモにまとめておかないと返すに返せないのだけれど、

なかなかその時間がとれない。しかも他の館からのとりよせだから、一回返すとまた

取り寄せるのに時間がかかるため返せずにいる。もう延々と二ヶ月くらい返しては

借りてを繰り返している気がする。

滝本竜彦という引き篭り系作家がいるのだが、その人の過去のインタビューが2chに 貼ってあった。無断にコピペ。
1/31の東京新聞夕刊から

僕は嘘つき

 僕は嘘つきだった。この歳になってもまだ嘘をつく。  「いやぁ、小説なんて余裕だったよ。いくらでも書けるよ。もうすぐベスト セラーも書くよ。そしたら別荘を建てるよ。車も買うよ。だから安心してよ」 などと、受話器の向こうの母に大嘘をつく。  母は泣いていた。涙声で「よかったね。よかったね」と言った。  そういえば、僕が大学を中退したときも母は泣いていた。数年前のあの頃も、 僕は嘘ばかりついていた。  「あんた、ちゃんと学校に通ってるの?」と、数ヶ月に一度、実家から電話 がかかってくる。僕は陽気な声で答える。「今日はゼミがあったよ。オレの発 表だったけど、なんとか上手にこなせたよ。単位計算もバッチリだよ!」 全部大ボラだ。  本当は、ずっとアパートに引きこもっていた。半年近くも、ひとりで部屋に 閉じこもっていた。それでも僕は、成績通知表が実家に届くその日まで、必ず ばれる嘘をつき通した。  そして時が流れた。僕は運良く出版された自分の小説を実家に送った。数日 後に電話がかかってきた。北海道の母は泣いていた。泣きながら「よかったね」 と言った。僕の本を読んで感動したという。あとがきを読んで感動したという。 あぁ、確かにその本には、感動的なことが書いてある。本の主人公は葛藤を乗 り越え、強く生きていく決心をする。  でもそれは、やっぱり全部、大嘘だ。  小説はただの嘘だよ。いいことが書いてあるけど、僕の実生活とは何の関係 もないんだよ。本当は今もアパートに引きこもっているんだよ。未来はぜんぜ ん見えないよ。いつも鬱々としてるよ。もうダメかもしれないよ。僕が書くこ とは全部嘘だよ。  だが――と僕は思い直す。  僕は嘘つきだ。せっかくだから、最後まで嘘をつくことにした。  「頑張るよ。これからも頑張るよ」  母は涙声で「よかったね」と繰り返した。僕は「うん」とうなずいた。
ええ話やね。 俺も実家の両親に嘘をついてみようかな。

「大丈夫だよ。毎日元気に快活にやっているよ。職場での人望も厚いし、博士論文

もばっちりさ。最近彼女もできて、幸せな毎日さ。今度紹介するよ、お母さんもきっと

気に入るって。年末のボーナスで何かお母さんにプレゼント贈るよ」

……父よ母よ、すまん。


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