告知など
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- 彼女がうちのアパートに来たかと思ったらトイレに入って出てこなくて、 何をしているかというと、異世界で勇者をしている話。
- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」
- そろそろ子育てエッセイなどというものを書いてみようかと思った次第。
- 「小説生成システム開発計画 - プロジェクトNUE」
- 計算機に小説、いや、使い物になる文章を作らせてみようという試みを、 勉強しながらやってます。
2001-10-03 [Wed] 本多勝一に物申す
▼
本多勝一の日本語の作文技術をだいたい読みました。基本的に技術の部分については
たいへん参考になりましたが、表記方法など納得しかねる部分もありました。
どうやら大まかに言うと、縦書文化と横書文化の違いなのではないかと思います。
理系作文と文系作文の違いというのもあるのかもしれない。
▼ 本多勝一の勧める表記方法は「外国文化を盲目的に真似したものはよくない」という
方針のもとに定められていますが、我々が文書を書く場合、それは「技術屋」という
文化であり、日本でもアメリカでもありません。あまりナショナリズムは存在しない。
▼ だから横書文化の人間の立場として、本多勝一の勧める表記方法に意見させて
いただこうと思います。
▼ #うわ偉そう
▼ 1. 数字表記
▼ 本多勝一の本には、数字は欧米式の三桁区切りではなく、日本式の四桁区切りに
するべきだとある。つまり1,234,567はいかんというわけである。
と言われましても、理数系の世界ではこれが普通ですし。
「百二十三万 四千五百六十五」は分かるのですが「123,4567」はおかしいだろう。
JIS規格を調べたわけではないけど、こういう表記は存在するのでしょうか。
▼ 2. 人名のローマ字表記
▼ 日本人の人名は氏・名の順番に書くべし、とある。これは良い。ただし、本多は
英文中にあっても、と主張する。それが日本の文化だからだ、という理由らしい。
これはおかしいと思う。英文を書く目的は、あくまで読み手に内容を読んでもらう
ためだ。これは日本語作文と同じである。したがって、読み手と共通の文化的背景の
もとで書かなければならない。
重ねて言うが、我々が作文をする場合、その文化は日本でのアメリカでもイギリス
でもなく「科学技術」である。英文の場合も同じであり、ナショナリズムは存在し
ない。
▼ だから私は英文の場合は英語名的に、名・氏の順番で書く。念のため、苗字が苗字
であることを強調するために、苗字はすべて大文字で書くようにしている。欧米人
から見ると、日本人の名前はどちらが苗字でどちらが名前なのか分からないからだ。
▼ 3. ローマ字
▼ 本多は訓令式(し→si)を用いるべし、としている。英語的なヘボン式は、欧米から
の押しつけによるものだというのが理由らしい。
これには大きな間違いがある。現実的に、訓令式を欧米人が発音する場合と、ヘボン式
を欧米人が発音する場合では、後者の方が当然日本語の発音に近い。だったら、ヘボン
式を使った方が良いに決まっている。
そもそも訓令式は五十音図に沿った表記方法だが、五十音自体が大きな誤りなので
ある。気をつけて「たちつてと」を発音してもらいたい。五つの子音は必らずしも同じ
音ではない。「た、て、と」と「ち」と「つ」の子音はそれぞれ別の音である。
日本語の子音の数は、五十音図に現れる以上に存在するのだ。これを忘れてはいけな
い。
▼ したがって、私はより発音に近いヘボン式を用いる。
▼ 一応くり返しますが、これらの文化的背景が混入するような表現方法において、一部
賛成しかねる部分はあるけど、作文技術自体は全面的に賛成しています。