告知など
- 「勇者彼女がトイレから出てきません。」
- 彼女がうちのアパートに来たかと思ったらトイレに入って出てこなくて、 何をしているかというと、異世界で勇者をしている話。
- 「ダウン症があるとかないとかどうでもいい、誇りがあればいい。」
- そろそろ子育てエッセイなどというものを書いてみようかと思った次第。
- 「小説生成システム開発計画 - プロジェクトNUE」
- 計算機に小説、いや、使い物になる文章を作らせてみようという試みを、 勉強しながらやってます。
2004-04-30 [Fri] 映画の日
▼ キャシャーン:
正直期待していなかった、というか「ああ、実写化されたのね。じゃあ見ておくか」
くらいの気持ちだったのだけれど、これが大当たり。映像的にも(若干しつこい気は
したが)面白かったし、伝えたいこともストレートに伝わって来た。役者さんも良い
キャスティングで、これは見ておくべし。
散々語られて来たテーマではあるが、簡単に終らせるのではなく、幾重にも積み重ね
掘り下げているところが興味深い。
無論、欠点は多々ある。ガジェットにしろストーリーにしろ、過去のアニメーション
作品の焼き直しでしかないし、「実は○○だったんだ!」と説明するという禁じ手的
なことをやっていたりする。
それに、あの終り方には正直賛成できない。あのテーマで、神秘主義的自己昇華にして
しまうのは、80年代的というかトミノ的というか、エヴァンゲリオンで集大成され
そして集結された展開であると思う。今はもう、特に今だからこそ、あの時代と同じ
終らせ方では許されないと思う。そこに至る過程で、それなりに説得力のある物語の
積み重ねかたをしているだけに、勿体ない。
さて、これをどう見るか。
キャシャーンを普通の実写邦画だと見ると、サブカルチャーがエヴァで集結させた段階
にようやく普通の邦画が追い付いて来たと見るか、80年代に対する需要が未だに存在
すると見るか。
ただ、もしエヴァ以降を提示できるのがやはりサブカルチャーしかないのだとしたら、
サブカルの人には頑張って欲しいなあと思う。
▼ APPLE SEED:
原作を読んだことはあるはずだけれど、友達の家でしかも10年以上前のことなので、
全然覚えていない。
で、劇場版なのだが、見どころとしてはやはり完全CGでトゥーンレンダリング(または
セルシェーディング。違いは良く分からない)という点であろう。
その点について言えば、やはり微妙と言わざるをえない。キャシャーンがCGと実写を
シームレスに合成し、イノセンスがCGとセル絵をシームレスに合成し、両者とも不自然
がないのに比べると、何かしらの不自然さを感じる。特に口の動きとセリフが微妙に
ずれていたりとか、視線が微妙におかしかったりとか。アニメ絵の記号が使えないのも
原因かもしれない。だけど、過去のフルCG作品(ソリトンの悪魔とか)と比較すると、
段違いの進化をしているとは思う。映像的にはおそらくそれなりの評価を得るだろう
し、原作者の名前だけでそれなりに人は集めるのだろう。
興業的に成功できるかというと微妙だが。
それよりも、ストーリーが良くできていると思った。前半の設定の説明をしている
あたりでは、これは10年前に映像化しておくべきだった作品だなあと思ったのだが、
後半の展開で味方を変えた。これは2004年のこの時代だからこそあるべき結末の付け方
である(ただし前述のように原作のストーリーを覚えていないので、原作と比較して
どうなのかは分からない)。
キャシャーンと比較すると、キャシャーンで放り投げている部分を投げずに、きちんと
次の一歩として踏み出そうとしている点が、現代に存在する価値のあるストーリーだと
言えるのではないか。