告知など


2004-04-30 [Fri] 映画の日

俺的映画の日。明日行けば安くなるのは分かっているけれど、混むだろうし、今日は

暦の上では平日で会社は休日ということで、まとめて見てきた。

キャシャーン:

正直期待していなかった、というか「ああ、実写化されたのね。じゃあ見ておくか」

くらいの気持ちだったのだけれど、これが大当たり。映像的にも(若干しつこい気は

したが)面白かったし、伝えたいこともストレートに伝わって来た。役者さんも良い

キャスティングで、これは見ておくべし。

散々語られて来たテーマではあるが、簡単に終らせるのではなく、幾重にも積み重ね

掘り下げているところが興味深い。

無論、欠点は多々ある。ガジェットにしろストーリーにしろ、過去のアニメーション

作品の焼き直しでしかないし、「実は○○だったんだ!」と説明するという禁じ手的

なことをやっていたりする。

それに、あの終り方には正直賛成できない。あのテーマで、神秘主義的自己昇華にして

しまうのは、80年代的というかトミノ的というか、エヴァンゲリオンで集大成され

そして集結された展開であると思う。今はもう、特に今だからこそ、あの時代と同じ

終らせ方では許されないと思う。そこに至る過程で、それなりに説得力のある物語の

積み重ねかたをしているだけに、勿体ない。

さて、これをどう見るか。

キャシャーンを普通の実写邦画だと見ると、サブカルチャーがエヴァで集結させた段階

にようやく普通の邦画が追い付いて来たと見るか、80年代に対する需要が未だに存在

すると見るか。

ただ、もしエヴァ以降を提示できるのがやはりサブカルチャーしかないのだとしたら、

サブカルの人には頑張って欲しいなあと思う。

KILL BILL Vol.2:

特に語ることもない。タランティーノ信者以外は別に見なくていいかと。Vol.1は

ニッポーン的笑いどころがあったが、それもなく。

APPLE SEED:

原作を読んだことはあるはずだけれど、友達の家でしかも10年以上前のことなので、

全然覚えていない。

で、劇場版なのだが、見どころとしてはやはり完全CGでトゥーンレンダリング(または

セルシェーディング。違いは良く分からない)という点であろう。

その点について言えば、やはり微妙と言わざるをえない。キャシャーンがCGと実写を

シームレスに合成し、イノセンスがCGとセル絵をシームレスに合成し、両者とも不自然

がないのに比べると、何かしらの不自然さを感じる。特に口の動きとセリフが微妙に

ずれていたりとか、視線が微妙におかしかったりとか。アニメ絵の記号が使えないのも

原因かもしれない。だけど、過去のフルCG作品(ソリトンの悪魔とか)と比較すると、

段違いの進化をしているとは思う。映像的にはおそらくそれなりの評価を得るだろう

し、原作者の名前だけでそれなりに人は集めるのだろう。

興業的に成功できるかというと微妙だが。

それよりも、ストーリーが良くできていると思った。前半の設定の説明をしている

あたりでは、これは10年前に映像化しておくべきだった作品だなあと思ったのだが、

後半の展開で味方を変えた。これは2004年のこの時代だからこそあるべき結末の付け方

である(ただし前述のように原作のストーリーを覚えていないので、原作と比較して

どうなのかは分からない)。

キャシャーンと比較すると、キャシャーンで放り投げている部分を投げずに、きちんと

次の一歩として踏み出そうとしている点が、現代に存在する価値のあるストーリーだと

言えるのではないか。


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