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2001-09-22 [Sat] 映画の日

今日は俺的には映画の日。

CowboybeboopとFINAL FANTASYを見た。

Cowboybebop:

オ−プニングが人狼の沖浦啓之氏によるものだが、うむ、たしかに沖浦っぽい。

サイバ−パンクはモブの描写が重要だよな。

テロリストものなので、時期的にアメリカで上映できなさそうというのが

もったいないところ。

出来は良い。「千と千尋」もいいんだけど、こういう作品をちゃんと評価できる

(それは興業収入という点でも)ような国になってもらいたいものだと思う。

基本的に肯定だけど、一応気になったところを挙げておこう。

最後にスパイクがソ−ドフィッシュ号で飛んでいて、軍と交戦になる理由が不

明確。数カット説明(スキャンして製薬会社から逃げてきたことを調べるとか)

追加するだけですんなり受け入れられるようになると思うのだが。あと、最後

のあっさりした終りかたは賛否ありそうだけど、これもまたビバップ的と言え

るのではないかと思ったので、俺的にはまあ良い。

ところが、どうも空虚な感じがつきまとう。

何が理由かと考えてみると、登場人物同士の絡みが非常に薄いのが原因なのでは

ないかと思う。

スパイクとヴィンセントについては、拳を交わすというのでいいと思うけど、

それを埋めるはずのエレクトラの働きがいまいち不足している。

他の面子については、ジェットが「俺達の関係はなんだろな」と吐露していて、

それで四人のからみが少ない説明にしているつもりかもしれないが、納得いかない。

もっともっと絡んでもらいたい。ジェットの活躍が足りないのではなかろうか。

そして、フェイなんだが、何故ヴィンセントがこいつを助けたのかが、全然

理解できない。

ハードボイルドってのはセリフではなく行動で語るものらしいのだけど、語るほど

の行動を表現できていないように思える。

そんなこんなで、これだけの時間をかけて作ったのだから、もっと密度を上げても

良いのではなかろうか、と感じる部分はあった。

FINAL FANTASY:

観察するべき点はCGとスト−リ−の二点、と思いながら見た。

CGについては、これが十年後には家庭用ゲ−ム機でリアルタイムでレンダリン

グできるようになるのかなあ、などと思った。でも本当にそこまで可能かどう

かと言われると、よくわからない。ア−キテクチャ的には今のままで速度が伸

びるとも思えないので、例えばEmotion Engineのコアを128個くらい今のダイ

サイズに集積して並列動作させたりするのかもしれないけど、そこまで集積度

上げられるとも思えないし。

ただ、そこまでいかなくても、十年後はこれと同じ質のCGが、人間の俳優を使

うより安くできるようになるだろうとは思うので、まあそれの先駆けを見たと

思って先行投資のつもりで金を払うのがよかろう。

スト−リ−については、確かにFFっぽいのだけど、日本人的(もしくは仏教的

か、手塚治虫的ともいう)生命観を、欧米人向けにアレンジしようとして失敗

しているように思える。随所に強引な話しの持って行き方、強引な説明がある

ように思う。

いっそ、最後はアキのお腹の中に子供がいて、そいつが8番目の精神体で、母

親の波動と同調しながら全員ガイアの一部になるとかすると、トミノと言われ

るのは目に見えているけど、日本のお客様にはウケが良かったかも。もちろん

基本は全員死亡という方向で。

または、アキが実はアニマスピリチュアで、グレイが「俺の歌を聞け!」と叫んで

地球を救うとか。

うむ、そうか。ガイア理論というのが出てくるのだが、これが重要なキ−ワ−ドで

ありながら、全然説明が出て来ていないから、物語りの根底の哲学が見えなくなって

いるんだな。

手塚的アレだと仮定したとすると、宇宙の生命体や、輪廻という概念が出てこない

ので、どうやら少し違うらしいと見ているほうはとまどう。

じゃ、いわゆるガイア仮説という奴か。ガイア仮説というのは、イギリスの化学者

であるジェームス・ラブロック博士によって提案された概念で、地球全体が恒常性

を保つために生命システムとして機能しているというものだ。しかし、この仮説は

あくまでシステムとしての生命と地球との類似性を指摘したものであり、本劇中に

でてくるようなSpirit of GAIAという概念ではない。だからやっぱり違う。

いったいなんなのさ。っていうのが、日本人にも欧米人に理解されなさそうな話し

になってしまっている要因だと思った。


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